lifestyle interview #07 上井出

ゼロから学んだ自動車整備の専門学校、
意外にも車が面白いことに気づきました。

学び始めたものの、あまりにも知らなすぎて、スズキの先生からきちんと学校に通った方がいいと言われてしまい、静岡にある自動車整備の専門学校に4年間通うことにしました。今後のことも考えて一級整備士の資格まで取得してから会社に戻ってきました。学校に通って気付いたのは、思った以上に自分が機械に興味があったこと。車にはものすごい数の構造があって、その構造一つ一つが全てきちんと動くことで車は走ったり、曲がったり、止まることができるんです。そういう仕組みが英語なんかよりも全然面白いなって感じました。それに、自分は家業を継ぐ前提で学んでいたんですが、年下の同級生たちはただ車が好きという感じで、そういう車好きと一緒に学ぶことで、好きだから車を整備するという方向に気持ちも少しずつ変わっていきました。今ではもう完全に構造もわかるし、好きでこの仕事をしてるなと思いますね。

一人ひとりのお客さんに時間をかける姿勢、
地元で仕事することのやりがいを感じます。

一般の方は車の構造まで興味はなくて、ただ修理してくれればいいと考えてると思うんですが、できるだけ構造を伝えるようにしています。故障しても、構造が少しでも頭の中に入っていればお客さん自身が対応できたりする。そのために少しでも自分の知識を伝えられるよう心がけています。もともと教員をめざしていたからかもしれませんね。ディーラーのような大きい店舗だと、たくさんのお客さんを次から次へとただ対応するだけですが、ここだと一人のお客さんに費やせる時間が多い。この地域は田んぼをやってる人もいれば、日々の草刈りもあるので、草刈り機とか小さなエンジンを見てほしいって言われることもよくあります。その時にこの野菜を持っていきなと言ってもらえたり、そういうコミュニティで仕事ができていることに、とてもやりがいを感じています。

英会話教室を始めて知った地元の優しさ、
地域の自然の豊かさも再発見しました。

せっかく英語を教えていた経験があるなら、地域の子どもたちに英語を教えてみてはどうかという社内の声で、2017年から小さな英会話教室を始めました。そこから生徒の保護者さんとの付き合いが始まりましたが、本当に気さくというか、何でも話してくれるし、距離感がすごく近い。自分も小さな子を持つ親として子育ての相談に乗ってもらったりして、自分が地域の方々にとてもお世話になっていたんだなと実感しました。それに、この地域は散歩ひとつとっても本当に魅力的。このあたりを子どもと一緒に歩くだけでもたくさんの発見があるんです。子どもの頃は当たり前に思っていたこの環境に、いかに多くの虫たちや動物がいるか。その自然の豊かさは都会や海外生活から戻ってきて再発見しました。

地域に必要とされる会社であれ、
先代の思い受け継ぎ進化する会社へ。

現会長である先代の父が、いつも「地域に必要とされる会社でありたい」と言っているのですが、それは現社長である弟と僕の代になっても、根幹として変わらない部分だと考えています。車の整備はもちろんですが、英会話教室のことも含めて、必要とされ続けるためには変化も大切です。時代の変化、例えば今は車の乗り方もとても進化していますし、英語の学習法も多様化しています。そういった変化の時代にあって、この地域に根差して地元の皆さんに必要とされる会社であり続けたいと思っています。